ミリオンバックスです。

ニュース各社のトップ記事のタイトルに並んでいる言葉です。戦争、闘争、暴力など日本人にはアレルギーがあります。3月22日のNYダウ平均株価(INDEXDJX: .DJI)は、前日比-$724.42ドル（-3.02%）と大きな下げとなりました。

トランプ大統領は、中国による知的財産権侵害や米企業への技術移転の強要に対抗して、中国製品に高関税を課す制裁措置を取ることを決め、対象品目リストの作成を米通商代表部(USTR)に指示する大統領令に署名しました。

高関税の対象製品は年５００億ドル（約５．３兆円）規模になる見通しです。3月1日には、鉄鋼は25%、アルミニウムは10%の輸入関税を課すと発言されていました。

戦闘機や軍艦の製造に使われる鉄鋼やアルミニウムが、中国で過剰に生産されて国際的に価格が下落し、各国から不当に安く輸入されているのが理由だそうです。

下のグラフは、2006年から2016年までの中国の貿易収支を示しています。2016年の中国の貿易黒字は約5,971億ドルに達しています。

※データ出所：Statista社

下のグラフは、2006年から2016年にかけて中国へ輸入された金額を示しています。2016年は、約1兆5,900億米ドル相当の品物が中国に輸入されました。

2013年、中国は世界最大の輸入国として米国を上回りました。その年、中国の輸出入は総額4兆米ドル以上に達しており、グラフに示すように、2009年を除き、過去10年間で輸入がかなり安定して増加しています。

中国の輸入品は、2009年の世界的な金融危機により約11％減少したのち、 2010年には、国内総生産（GDP）に対する中国の輸入貢献度は20％を超えていました。

国際貿易のためによく使われる、もしくはファンダメンタルズの経済指標は、国の貿易収支ですから、これは参考としてください。

※データ出所：Statista社

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2000年から2016年までの米国の国際貿易総額を示しています。2016年の米国の国際輸出額は約2兆2100億米ドルでした。輸入は約2兆7000億ドルに達しています。

※データ出所：Statista社

米国が鉄鋼などの関税を上げると、鉄鋼などを使用する米国の自動車産業や航空機産業の競争力が弱まり、米国経済自身が疲弊します。そして高関税の負担を強いられるのは、最終的には米国の消費者です。米国人が好む言葉を使うと、自分で自分の足を撃つようなことをしている。ということになります。

1950年から2016年までの世界貿易の輸出量を10億米ドルで示しています。日本の高度成長期と比べ、1990年から2010年にかけてのアジアの発展とともに世界の貿易額は急拡大しています。2016年の世界の輸出貿易量は約15.96兆米ドルでした。この急拡大の大半は中国や米国になります。

※データ出所：Statista社

外国為替市場では2016年11月以来となる1ドル104円台後半まで円高が進みました。麻生太郎財務相は23日の閣議後会見で「米国の動向を注視する」との考えを示し、知的財産保護の強化については「日本としても重要性は十分理解している」と述べています。

世界各国の動きをみると、EUだけでなく、米国への鉄鋼の最大の輸出国であるカナダの首相がトランプ大統領の措置を非難しただけではありません。同じく米国の同盟国であるオーストラリアの首相も、同国の米国への鉄鋼輸出はほとんどないのにも関わらず、自由貿易こそが成長をもたらすものであり、保護貿易というシャベルで産業を救い上げようとしているが、逆にシャベルで大きな穴を掘ろうとするものだと、強い口調でトランプ大統領を非難しました。

トランプ大統領は「中国の人々や習近平国家主席は友人だが、対応しなければならない」と語りましたが、本当の友人とは自国の利益からではなく、原理や主義に基づく優れた主張だと思います。

理念を主張できる者こそ政治的リーダーの資格があり、世界の自由貿易を維持するために、一時的に嫌われたとしても、世界貿易戦争を引き起こそうとしている友人の過ちを正すことが真の友人関係だと思います。日本の過去に最大の貿易摩擦の対象となった経験があります。現在の日本の要人は本当の友人として何ができますか？

ではまた。